思い出の歌:卒業写真 荒井由実

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     いつも買い物に行く、少しうらぶれたスーパーで、だれが歌っているのか知らないが、<卒業写真>のカバー・ソングが流れていた。嫌いな曲だったから、カバー曲に聞き入る自分にすこし驚いた。

     

     荒井由実は、都会的で、政治と無関係に生きていける・セレブっぽい感じが好きではなかった。この曲も学生の頃嫌いだった。何が気に入らなかったのか?

     卒業アルバムが、革(!)の表紙という小道具の出し方や、自分は変わって行くくせに、<あなたはあの頃の生き方を忘れないで>とか、<あなたは、時々、遠くで叱って>という在り方が、恥じらいもなく自分に甘えた、随分な手前勝手じゃないかと思ったのだ。女から男(本当は男女に限らないはずなのに)に対する過度の希望・要求(?)という在り方もカチンと来たような気がする。若いわたしは、この歌詞をただ若者の恋愛の歌としか読めなかったのだ。

     

     話しかけるように揺れる柳の下を

     通った道さえ今はもう電車から見るだけ

     

     こころ惹かれる詩句も入って、いい詩だったんだと、今あらためて思える。 どのみち、この地やひとの記憶から消え去ると思っていたから、写真に写るのがいやだったわたしは、今も開くようなアルバムも青春も持っていないのだが、十代のわたしは、<悲しいことがあると>の始まりと、こころの再生の意味に、日々を生きようという豊かなありかたに、気づこうともしなかったのだ。

     今回、ユーチューブで荒井由実の歌で聞くと、やはり若い時に聞いたときの気持ちがよみがえってきて、わたしには夏川りみさんのデュエットと、全然知らない青葉市子さんの歌い方が、この詩と合っている気がした。

     


    コメント
    最初の数フレーズの最後の音を、いきなり低音に落とすことに、荒井由実の才能と新鮮さを感じました。
    しばらく、カラオケご無沙汰です。
    • ワイン好きの料理おたく
    • 2019/02/10 10:50 PM
     あ〜、なるほど! 私は音楽百点満点で2点を取ったことがあるほど、音楽が苦手だったので、気づきもしませんでした。そう言われると確かにすごいですね。
     ロマン・ロランがベートーベンの曲を精密に解析した文章を、若い頃読んで、すごく惹かれたことがありました。ひととの付き合いが下手だったわたしは、人の気持ちもこんなに分析できたらどんないいいんだろうと思ったのです。そんなことを、数十年ぶりに料理おたく様のコメントで思い出しました。

     ひどい音痴なのでカラオケはしませんけど……。(^^)
    • おや爺
    • 2019/02/11 2:44 AM
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