よいお年を Д后璽僉爾涼鷦崗譴

  • 2018.12.29 Saturday
  • 23:51

 昼に、ビッグハウスへいつものように夫婦で買い物に出かけた。時々前も見えない激しい雪が降っていた。ここ数日間続く岩見沢の冬の天気だ。スーパーの入り口付近で、年末年始の買い物なのだろう、右肩に重い買い物袋をかけて、雪の轍を気遣う老齢の女性を見かけた。

 普段そういうことはしないが、近付いて、持ちますよ、どこまでですか、と声をかけた。娘が荷物も持って車のところにいるんですと指をさした。駐車場のはずれに、女性が重そうな荷物を抱えて歩いている姿が見えた。

 

 車に荷物を入れている娘さんに荷物を渡すと、驚いたように、(荷物を車に)入れたら取りに行こうと思っていたんですと言った。有り難うございますと言われた。慣れないことをしたのでとっさに言葉が浮かばず、お互い様ですから、と答えて、またスーパーの入り口に向かった。

 老齢の女性とすれ違い、有り難うございますと言われた。お互い様ですからとまた変な答えをして、よいお年を、と言った。見知らぬ人にそう言われたことが珍しかったのか、黙っていた。

 歩き始めたわたしの背中に、よいお年をと答える彼女の声が聞こえた。思わず振り返ってお辞儀をした。彼女がお辞儀をしていた。暖かいものがながれた。
 何年か前、深夜、年末に、夫婦で雪かきをしていた時挨拶を交わした見知らぬの若い女性の姿と、竹中郁の詩をまた思い出した。

 

 子供たちが小さかったころ、親しいアメリカ人の友人Cにクリスマス時期、自宅に招待された。オレゴンに家族で行った。人口数万の田舎町のせいだったろうか、スーパーで会う人やレジの人に、すごく穏やかに日常会話をする姿を見て驚いた。知り合いなのと友人に聞くと、いや、クリスマスだからゆっくりした穏やかな気持ちになるのさ、特別だよ、と答えた。それが一般的かどうかわからないが、普段は優しいのに、必要以上にピリピリして見える・年末の気ぜわしい最近の日本を感じると、懐かしく思い出す。

 よいお年を。僕はこの柔らかな日本語の語感やこころが好きだ。この言葉が交わされるから、この時期が好きだというくらいに……。

 

足どり

見知らぬ人の

会釈をうけて
こちらも丁重に会釈をかえした
 
二人のあいだを
ここちよい風がふいた
 
二人は正反対の方向へあるいていった
地球を一廻りして
また出会うつもりの 足どりだった

          竹中郁全詩集

 

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