芸術家は大変?

  • 2018.07.15 Sunday
  • 21:38

 今年『万引き家族』で、カンヌ国際映画祭最高賞を受賞した是政監督の発言も、さらにその発言に対してネット上で批判がわきあがっていることも、北海道新聞の7月8日版を見るまでちっとも知らなかった。

 

 「補助金をもらっていながら呆れた発言だ」とツイッター上で個人の批判が相次いでいると下の記事にあるが、本当にそんな批判があるんだろうか。にわかには信じられない気がする。なにも欧米のあり方がすべていいとは思わないが、こういう発言が力をもつことが、いまだに欧米先進国でもありうるんだろうか。日本は超高度消費社会の先進国の先端であると思うけど、監督の発言を巡る情況そのものが、学生の頃読んだ世界史の中のアジアについて書かれた・まったく無関係な言葉を急に思い出させた。<アジア的停滞>という言葉だ。

 ナチスによって追いやられた・わたしの好きなパウル・クレーや、マックス・エルンストの(退廃)芸術追放の歴史が頭をかすめた。

 わたしは、是政監督の、ネット上やこの道新の記事の最後の落ち着いた・穏やかな発言をいいなぁと思っている。林文部科学相の、「助成しているからと言って、義務や発言の制約がかかるものではないと思っている」の発言も、理論的な・大人の政治家だと思える。

 かつて、素粒子論の湯川秀樹や武谷三男が、ビッグサイエンス(ひも付きの金)が健全な物理学精神を歪める可能性に言及していた。こういう発言を巡るあり方を見ると、科学ばかりではなく芸術も同じことなのだろう。金が怖いというべきではない。「補助金をもらっていながら呆れた発言だ」は、つまるところ、作品(表現)がモノを言うのではなく、金だけがモノを言う・ものを言える社会と言っていいのだ。

 芸術家は大変、とはこのブログ記事の題だが、芸術家は表現を通してその事実が露わになるだけで、ほんとうは、無意識下で、このネット社会に住むすべての個人が、既に同じ情況の元にあるということなのだろう。

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