こころの筋トレ:隔てるもの、つながるもの

  • 2018.02.12 Monday
  • 13:37

 1月26日の道新コラム・今日の話題に、イギリスで孤独をなくす政策を練る孤独担当相を新設したと出ていた。

 

 広告のチラシでもいいから活字にかこまれると安心するという、活字フェチなので、去年からほぼ毎日のように市立図書館にお邪魔している。建物は能勢元市長のいくつも残してくれた建築遺産の一つだ。吹き抜けの気もちのいい空間で、老後を快活に生きるための・一つの心理臨床手段として、感情の二重モニタリング(臨床心理学的瞑想)をしている。←傍から見ればただ口を開けて寝ているアホ面のおっさん。hirasan

 

 先進国の中で、韓国とともに日本は、若年層や中高年の自殺が飛び抜けて多いと聞いたことがある。年間2万から3万の自殺者がいるのだ。毎日毎日80人以上自死していることになる。とても他人事とは思えない。

 図書館の書架にも、自己啓発本・エッセイ風なものまで含めると、心理学関係の本がかなりのスペースを割いているのに驚かされる。フロイトと激しく対立したアドラ―の流れをくむアメリカ流の心理学が多いのだが、それほど今の生活や人間関係・将来に、何とも言えない不安を抱えている人が多いということなんだろう。自殺について書かれた専門書の序文の中に、海外に住む日本人高齢者が、日本に里帰りをして驚くのは、街中の同じ高年齢層の力のない姿だとあった。

 海外から里帰りできる人はそれなりの富裕層だから、そういう人たちの目には、とりわけそう見えるだけだろう、とまず思った。体験的に言えば、高年齢者に共通の心理的・構造的孤立感があり得るはずだから、日本だけの問題とも思われない。そんな中で目にふれたコラムなので、余計考えさせられたのだ。

 

 最後に出て来る、ジョン・ダンは、シェイクスピア・エリオットやイギリス文学にちょっとでも関心を持った者ならだれでも知っている有名な詩人だ。ヘミングウェーの『誰がために鐘は鳴る』はこの詩からとっているし、これは、わたしの勝手な想像だが、サイモンとガーファンクルの名曲『アイ・アム・ア・ロック』の中のこころの叫び「ぼくは岩、ぼくは孤島だ。i am a rock. i am an island.」は、このジョン・ダンの頭に浮かべて書いたのだと思う。

 この「誰がために鐘は鳴る」は、他人事ではなく、汝ら兄弟姉妹のことだという、如何にもキリスト教的世界観という気がする。

 

For Whom the Bell Tolls

 

No man is an island, entire of itself;
every man is a piece of the continent,
a part of the main.
If a clod be washed away by the sea,
Europe is the less,
as well as if a promontorywere,
as well as if a manor of thy friend's or of thine own were:
any man's death diminishes me,
because I am involved in mankind,

and therefore never send to know
for whom the bells tolls;
it tolls for thee.
なんびとも一島嶼(とうしょ)にてはあらず。
なんびともみずからにして全きはなし。
人はみな大陸(くが)の一塊(ひとくれ)。本土のひとひら。
そのひとひらの土塊(つちくれ)を、波のきたりて洗い行けば、
洗われしだけ欧州の土の失せるはさながらに岬の失せるなり。
汝(な)が友だちや汝(なれ)みずからの荘園の失せるなり。
なんびとのみまかり(死ぬ)ゆくもこれに似て、みずからを殺(そ)ぐにひとし。
そは、われもまた人類の一部なれば、
ゆえに問うなかれ、誰(た)がために鐘は鳴るやと。
そは汝(な)がために鳴るなれば。
      (大久保康雄訳)

 

人は離れ小島ではない
一人で独立してはいない
人は皆大陸の一部
もしその土が波に洗われると
ヨーロッパ大陸は狭くなっていく
さながら岬が波に削られていくように
あなたの友やあなたの土地が
波に流されていくように
誰かが死ぬのもこれに似て
我が身を削られるのも同じ
なぜなら自らも人類の一部
ゆえに問う無かれ
誰がために弔いの鐘は鳴るのかと
それが鳴るのはあなたのため
      (浜野聡訳)

 そういえば中国史家・オーエン・ラティモアだったか、海は隔てるものではなく、つながるものでもあるという言葉がありますね。隣人・隣国も同じ。戦争ではなく、この社会に、人々や島々をつなげる海は必ずあるはず。

 学生の頃、そばプン少年というあだ名(ひと月は風呂に入らないので、側に行くとプンとにおうから。わたしがつけたんだけど……ちゅん)の・いまも親友の・Yから教えてもらったLP。サイモンが、有名になる前、一人でイギリスで出したアルバム「ポールサイモン ソングブック」から、アコースティック・バージョンの『アイ・アム・ア・ロック』

 学生の頃、何だか必死になって聴いていたっけ。←馬鹿ですねぇ〜、十八のおや爺よ! 絶って〜、戻りたくねぇ。hirasanパンダ

 

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