12月の詩の旅:木 田村隆一

  • 2015.12.02 Wednesday
  • 01:48

                                     (写真:北海道白金温泉・青池)
 12月の店においてある詩は、荒地派・田村隆一の詩です。断定の(エピグラム)詩人ともいわれるのは、断定で終わる詩句が多いというより詩全体に、感情や感覚を形容するために形容詞を使うことが、極端に少ないことが、そう感じさせるのだと思います。
 <ゆったりと静かな声>もそう感じたのではなく、まるで確固とした事実の描写として表現しているようです。現実の表面的な事実(常識・多数派の民意)ではなく、詩的事実ですが。
<正義そのものだ それでなかったら地下水を根から吸いあげて/空に返すはずがない>なんて、本当にすごい事実ですよね。

 何故12月の詩なのか、多分雪の多い北海道に住むせいなのでしょうが、吹雪の後に、星夜の光りの中で、冷たい粉雪がはりついた木々を見ると、それぞれの木が、微妙に違った雪をまとって耐えているのに気付きます。<ひとつとして同じ木がない/ひとつとして同じ星の光のなかで/目ざめている木はない>
 ひとつとして、同じ星の光や吹雪の中で目ざめている木はありません。世界が注視してくれる大都市パリの中にも、わたし(たち)の目の届かないシリアの人々の中にも。

 田村隆一詩集・『水半球』より。

 
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