いい夫婦の日

  • 2010.11.20 Saturday
  • 03:37
  数少ない精養軒のイベント『いい夫婦の日』。今年も、もう残りひと月とすこしですねぇ。この曲を精養軒のお客様にユーチューブを通してお贈りします。

 え、ベタな曲ですって! そんなことはありません。ビリーバンバンの歌とこの映像を見るとよく分かります。この記事のためにユーチューブの動画をイロイロ見ましたが、どれも感情過多でイマイチでした。坂本冬実さんも、語りすぎだと思います。

 その中で唯一、私の好みの映像は埋め込み禁止 ですのでこちらからご覧ください。

 ビリーバンバンの実にあっさりとした歌い方と背景の荒涼とした映像が、かえっていま横にいるひとへごく自然に、いとおしさと感謝の思いをはこびます。

 21日から23日の3日間、20名様ですが、夫婦でいらした方・長い付き合いのカップルの方にワインのミニボトルと詩をプレゼントいたします。ブログを見たとおっしゃってくださいまし。

 ことし紹介する詩は、1954年に発表された黒田三郎詩集『ひとりの女に』の一篇です。

 現在に生きるわたし(たち)とつながる太平洋戦争の・東南アジアの過酷な戦線からかろうじて生き延びたひとりの青年が、敗戦直後の日本に同化することも出来ず廃人同様に生きていたとき、一人の女性に出会い、再び生きる力を取り戻していく過程を詩で表現しています。

 日本の現代詩史上、最高の恋愛詩集でございます。


 突然僕にはわかったのだ


僕は待っていたのだ
その古めかしい小さな椅子の上で
僕は待っていたのだ
その窓の死の平和のなかで

どれほど待てばよいのか
僕はかつてたれにきいたこともなかった
どれほど待っても無駄だと
僕はかつて疑ってみたこともなかった

突然僕にはわかったのだ
そこで僕が待っていたのだということが
そこで僕が何を待っていたのかということが
何もかもいっぺんにわかってきたのだった

罌粟(けし)に吹く微かな風や
煙突の上の雲や
雨のなかに消えてゆく跫音(あしおと)や
恥多い僕の生涯や

何もかもがいっぺんにわかったとき
そこにあなたがいたのだった
パリの少年のように気難しい顔をして
僕の左の肩に手を置いて
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