思い出の歌:木戸をあけて 小椋佳

  • 2020.02.13 Thursday
  • 23:02

 大学生になるまで、いつも家を出たい、親と離れて生きたいと思い続けていた。北海道の大学は端から選択肢になかった。今の若者がどうなのか知らないが、50年前の思春期には珍しくない思いだったのではなかろうか。

 わたしの場合更に個人的な事情が加わっていた。小、中、高校と、関係を失うのが怖くて、自分が在日朝鮮人であることを親しい日本の友人にも、だれにも打ち明けられずにいた。自分の存在に自信もなく、将来、就職の当てもなく、アイデンティティも不明なまま、行き先どころか出口もない、完全な四面楚歌のような気持ちでいた。

 

 いまも相変わらずふらふら生きる・間違いなくロクでもない人間なのだが、老年期に達して、そういうどうでもいい体験や思いがあるおかげで、少しは、梯子を外された存在や、蚊帳の外に置かれる人の気持ちがわかる人間になれたのだと思う。ひとの体験は、いつ、どこで、どう対価となって日々の生活に訪れるのか、たれもわからない。

 

 家出を試みる歌で、10代20代の前半によく聞いたのは、ビートルズの名曲she's leaving homeだった。いつか訳してみたい歌のひとつだ。もう一つこころに残った歌が、小椋佳の、この『木戸をあけて』だった。

 家を出たい気持ちは同じなのだが、心の底にある希望の大きさが、わたしとあまりに違うので驚いた。
 

裏の木戸をあけていつかつかれ果てて/あなたの甘い胸元へきっともどりつくだろう

僕の遠いあこがれ 遠い旅の終るときに/ 帰るその日までに/僕の胸の中に語りきれない実りが たとえあなたに見えなくとも

 

 若いわたしは、ただ、ここでないどこかに行きたかったのだ。この歳になって、身近なひとと、今を、ともに生きることに感謝しながら、ここでないどこかや、遠い何かに惹かれる気持ちは、なお消えていない気がする。

 木戸のある家に住んでもいないのに、ね。

木戸をあけて

 

あなたの後ろ姿にそっと別れをつげてみれば
あなたの髪のあたりにぽっと明かりがさしたよな

裏の木戸をあけて一人夜に出れば
灯りの消えた街角 足も重くなるけれど

僕の遠いあこがれ 遠い旅は捨てられない
許してくれるだろうか 僕のわかいわがままを
解ってくれるだろうか 僕のはるかなるさまよいを

裏の木戸をあけていつかつかれ果てて
あなたの甘い胸元へきっともどりつくだろう

僕の遠いあこがれ 遠い旅の終るときに 帰るその日までに
僕の胸の中に語りきれない実りが たとえあなたに見えなくとも
僕の遠いあこがれ 遠い旅は捨てられない

loving and lying:この世界で、愛することと嘘をつくこと

  • 2020.01.09 Thursday
  • 14:28

 以前アメリカのメモリ部品メーカー(?)・キングストンの素晴らしいCMを、偶然見つけた。<a memory to remember記憶のプラットフォーム>だった。2019年の年末最後の記事を書いているとき、そのエンディング・ラインを思い出して、久しぶりに見た。その時、キングストンの別のCMがあることを知った。それが次のものだ。

 

 実話を元にしていると始まりにある。最後に警官が少年に呼びかける、ヤングマン(若者)って言うのもいいですねぇ。二人対等に握手した背景に見えるものがあります。わたし(たち)の、何気ない日々の背景にも存在するみたいに……。

 今は中国語が主流なのか、字幕を日本語に設定してご覧ください。ユーチューブ画面右下のギヤのマークをクリックして設定します。

 エンディングの文章(歌詞)。素晴らしい日本語訳。おや爺、太刀打ちできません。

under the sky

i'm just a little man

to be forgotten, that's all

would having faith do any harm

perhaps

i don't know, i don't know

but i'll just go on

thinking and foregetting

turning and reaching

loving and lying

a memory to remember

この世界において

僕はただのちっぽけな人間で

忘れ去られるのを待っているだけ ただそれだけ

希望を持つことは、そんなに悪いことなの?

かもね

僕にはわからない わからないんだ

だとしても、ひとつこと僕は続ける

想うことと忘れることを

離れることと抱きしめることを

愛することと嘘をつくことを

  (訳:名人級の方+おや爺)

spending christmas eve in 2019 with sam cooke:2019年のクリスマスイブをサム・クックでお楽しみください。

  • 2019.12.24 Tuesday
  • 00:01

 ワンダフル・ワールドと聞くと、ルイ・アームストロングの曲を思い浮かべてしまうかもしれません。でもあちらは、what a wonderful world(この素晴らしき世界)。これから紹介する曲は、サム・クック作詞作曲の、wonderful worldです。と言いたいところなんですが、サム・クックのオフィシャルビデオには、what a wonderful worldと紹介されているので、もしかして同名異曲かもしれません。どちらもアメリカの黒人差別に反対し闘った公民権運動に深くかかわった黒人シンガーの曲です。

 

 ルイ・アームストロングの曲は、ベトナム戦争が激しかったころアメリカで発売されました。アメリカでは大ヒットしなかったんですが、世界的にはヒットして、のちに、自殺したロビン・ウイリアムス主演の素晴らしい映画『グッドモーニング・ベトナム』で、効果的に使われていましたね。

 

 サム・クックの曲も映画に効果的に使われています。若きハリソン・フォード主演の名作『刑事ジョン・ブック目撃者』です。ウィキペディアの簡潔な紹介を見てみましょう。

 

 殺人事件の目撃者となったアーミッシュの少年とその母親を守ろうとする一人の刑事の格闘を描いたサスペンス映画である。その一方で、キリスト教の原理主義として非暴力で前近代的な生活を営むアーミッシュと、荒んだ現代社会に生きる刑事との文化的交流や恋愛模様を描いたヒューマンドラマとしての色合いが強いのも特徴的である。

 

 さて下のユーチューブの映像です。その刑事と、彼に惹かれていく少年の母親が、納屋でダンスを踊るシーン。ラジオからこの曲が流れてきます。忘れられないシーンですね。二人住む世界が違うとわかっていながら、彼女や刑事の中に湧き上がる感情。その感情に自分で怯えながら、そして抑えきれないという彼女の表情がいいですなぁ。いかにも恋愛感情の初々しい・制御できない思いが表れていて、二人、キスすらできない。切なく記憶に残る場面です。

 

 ここはぜひ安いスパークリングワインを飲みながら、ご覧下さいな。ホ、ホ、ホウ。おや爺サンタからのプレゼントですがな。

 

wonderful world  世界はバラ色さ

 

don’t know much about history
don’t know much biology
don’t know much about a science book
don’t know much about the french I took
but i do know that i love you,
and i know that if you love me, too,
what a wonderful world this would be.

授業なんかツマンナイ

歴史? 知らないよ
生物? 知らないね
科学用語? 知りたくない
おフランス語? よく知らない
でも、きみを愛してるって知ってるさ
あのとびきりの笑顔 きみの愛さえあれば
世界はバラ色なのに

 

don’t know much about geography,
don’t know much trigonometry.
don’t know much about algebra,
don’t know what slide rule is for.
but i know that one and one is two,
and if this one could be with you,
what a wonderful world this would be.

地理? 知らないよ
三角法? 知らないね
代数? 知らないよ
計算尺って何するの? でも
ひとつとひとつがふたつになる!は 知ってるさ
ひとりのぼく ひとりのきみとふたりになれたら
世界はバラ色なのに

 

now, i don’t claim to be an  A student,
but I’m tryin’ to be.
for maybe by being an  A student, baby,
i can win your love for me.

優等生だなんてトンデモナイ でも、
頑張ってるんだ 
優等生なら もしや きみを
とびきりの笑顔と愛を 勝ち取ることができるかな なんて思ってさ

 

don’t know much about history,
don’t know much biology.
don’t know much about a science book,
don’t know much about the french I took.
but i do know that i love you,
and i know that if you love me, too,
what a wonderful world this would be.

歴史? 知らないよ
生物? 知らないね
科学用語? 知りたくない
おフランス語? よく知らない
でも、きみを愛してるって知ってるさ
あのとびきりの笑顔 きみの愛さえあれば
世界はバラ色なのに

 

history
biology
science book
french i took.
but i do know that i love you,
and i know that if you love me, too,
what a wonderful world this would be

歴史
生物
科学用語に
フランス語 みんな、みんな知らないよ でも、

きみを愛してるって知ってるさ
あのとびきりの笑顔 きみの愛さえあれば
世界はバラ色さ

    (歌詞:サム・クック 訳:おや爺)

 アート・ガーファンクルがポールサイモン・ジェームステイラーと一緒にカバーしています。歌詞を勝手に作っていますね。いつか訳してみたい、味のある歌詞です。

 

 このクリスマスイブの記事を、亡くなった若い友人でありこころの師匠・石橋さんと、平和を求める名もない世界中の人々、K・Yに、パイザの心と愛を込めて送ります。

映画:イエスタディあれこれ

  • 2019.11.22 Friday
  • 02:16

 休みの日に家族で食事しながら、映画イエスタディの話をしました。いつものようにユーチューブを観ながらいかに楽しい映画だったか、得々と話したおや爺であります。兄が自分も後でDVDで観るというので、ネタバレにならない程度ですけどね。

 

 その後ユーチューブでいろいろ面白い映像を発見。いわゆる、behind the scenes物です。(楽屋裏話・メイキングビデオ。英語では悪い意味でもよく使われますね。陰に隠れてする行為なんかに。he is the man behind the scenesといえば、奴こそ影の黒幕だ、てな意味です。)

 これから映画を観られる方に申し訳ないので、ネタバレしない映像をご紹介します。次のものは、実際の映画では使われなかった編集前の映像、deleted scene(カットされたシーン)です。これを見ると本当にビートルズの曲をうまく使った脚本であることがよくわかりますねぇ。

 

 主人公の売れない歌手が、ビートルズのいない世界で、ビートルズの曲を自分の曲のように発表して、大評判になります。そしてアメリカのトークショウへ。そこで司会者に何かすごいやつ(something right now, something great)、例えば、今出ているこの女性に向けた何か(something)、みたいなやつを見せてくれ、と言われて、ジョージハリスンの有名な曲・somethingを、その場で作ったように発表するんざんすね。曲の題名は、so, this is something(その何か)ですと言いながら……。その女性のうっとりした目と、握る手の動き!! そしてイギリスでそれを見ている恋人のうれしさの後の、切ない顔!! いい、いいす、ねぇ!!

 次は田舎で初めて録音するシーンです。これもビートルズフリークには楽しさ炸裂ですわ。

 という訳で、ぜひぜひご覧ください。楽しく、かつ、こころに滲みるいい映画です。

 

ちょっと映画館へ◆Ш週の映画は『人生フルーツ』前編

  • 2019.11.19 Tuesday
  • 23:49

 先週札幌の映画館に行ったとき、久しぶりに高速バスを使った。考えてみれば、札幌へは、車で目的の場所だけ行って帰ってくるのを何年も続けていた。久しぶりに、目的もなく、新しい店を覗いたり、地下街をヒューマンウォッチングをしながらぶらぶら歩いた。岩見沢と違って、若い人たちや外国人もいっぱい歩いているのを見ると、こころが浮き浮きしてくるのだった。

 

 札幌駅8階にある映画館・シネマフロンティアはすっかり様変わりしていて、最後に来たときは対面のチケット販売していたのが、すべて自動券売機になっていた。広いロビーのソファーには若い人々が、あちこちに点在している。歳をとって、どういう訳か若いカップルを見るのが好きになった。付き合い始めたばかりに見える(?)爽やかそうな大学生カップルの後ろにこっそり座って、話を楽しく盗み聞きしたりした。←趣味悪〜、おや爺。

 で、でもですね、参議院初代副議長・松本治一郎翁はですね、議事堂近くの公園のアベック(現代語でカップルと言います)を覗くのを趣味にしていたのは有名な話ですからね。今なら揚げ足取りの週刊誌に狙い撃ちされて、ネット民意に大批判されるんでしょうね。せまっ苦しい猥褻な世の中ざんす。

 

 えっと、閑話休題。こっそり盗み聞ぎしておりましたよ、おや爺もね。若い人はお気を付けなさいな、オ、ホ、ホ、ホ。まぁ、書道を中学の頃していたとか、そうなんですか、なんて、どうでもいい高校時代の話を浮き浮きしながら話していただけ……。

 そんな風にしていたら、次回こそ奥さんと二人で映画館に行こうと思い立った。

 

 札幌の独立系映画館・シアターキノはいい映画目白押しだった。今回わたしが選んだのは、87歳と90歳の建築家夫婦のドキュメンタリー映画・『人生フルーツ』。久しぶりに二人で見るにはちょうどぴったりの映画。

 こんな生活とんでもなく無理だよ、とか、ゆとりのある心持ちがいいなぁ、とか、日々の時間の中で、ユーモアって大事だよな、等いろいろ考えさせられたが、わたしにとって一番大きな課題は、高度消費資本主義社会で、ひとが生きるとは、歪みを含めて、どういう困難を秘めているか、そこに、どういう心で向き合えるか、ということだった。今年9月に亡くなった若い畏友・石橋さんと話したことを思い出した。

ちょっと映画館へ Дぅ┘好織妊

  • 2019.11.18 Monday
  • 20:36

 映画館から足が遠のいてずいぶん経ちますね。夏に札幌のシアターキノで一級のエンターテインメント韓国映画・「1987ある闘いの真実」を見てきて以来です。行くとハマるのに、特に天気のいい休日の昼に行くのがもったいない気がしちゃうんです。先週、今週の休みに二本立て続けで見てまいりました。

 

 ビートルズの曲満載のラブコメディ映画ができたと新聞評が出ておりました。ビートルズが存在しない世界にワープしてしまった売れないミュージシャンと恋人のマネージャーのお話です。ビートルズの曲を自分の曲と偽って、売り出すことから物語は動き始めます。

 同じレコードを3枚持っているほどの・馬鹿げた・根っからのビートルズ狂のおや爺兄弟。これを見逃すことは、ファンとして切腹もんでごじゃります。

 

 いや〜、改めてビートルズの曲って、どれも名曲だなぁという思いになるほど、いい場面に、真にピッタリの曲を流す監督、えらいぞ、泣かせるぞ、感極まって涙こぼるるおや爺でございました。ネタバレになるので詳しく書けませんが、まずワープするところにかかる曲が、 a day in the lifeっていうのがグッとくるじゃないすか、ビートルズファンの皆さん!!そしてロシアで、有名歌手の前座で歌うあの曲!! こりゃあ、受けるわ。ジョーク感も含めて大盛り上がりでございましょう。

 

 なんと脚本は、わたしの好きな映画『フォー・ウエディング』・『ブリジット・ジョーンズの日記』のリチャード・カーティスでした。セリフしゃれてますからねぇ。

 

 主人公が交通事故にあい、主人公以外ビートルズの知らない世界にワープします。前歯が折れたものの退院し、みんなに前歯のない顔を冷やかされながら、プレゼントにもらった新しいギターで、誰も知らない曲・イエスタディを聞かせるシーン(1分37秒から始まります)です。

 

 はじめて聞くみんなの表情がすごいですねぇ。主人公がインド系イギリス人というのも今の移民社会イギリス的です。  

 曲に合わせた、背景の、何気なく川辺で遊ぶ子供達のちいさな声と家族もさりげないようで、イエスタディの歌詞の本質、日常の日々と人生を、映像的に見事に切り取っておりますね。イギリス英語も生活感ある・落ち着いた感じでいいんですよね。映画の中では、ネット社会の勝ち組って感じで自信満々のアメリカ英語の芸能エージェントたちが出て来て、その対比も面白いです。コメディ的ステレオタイプですけど……。

 

 平日、一回だけの上映で、場内閑散としておりましたが、ものすごく練られた上質の脚本と映像でございます。ぜひ大画面、大音量で、ご覧ください。

 

 おや爺的にはビートルズの中で唯一好きではなかった曲・『オブラディ・オブラダ』が、この映画を見てから好きになってしまいました。

 

 うれしさのあまり、大学以来の友人で同じくビートルズ狂のYにぜひ見るよう、メールしました。見た直後のメールが夜の11時13分に届きました。

 

 「最初から口元が緩みっぱなし。楽しかったよ!! 途中からラストが心配になってきたけど、あれしかないよね。あちらのコメディは楽しいね。役者がいいのかな。ジョージの曲が2曲も出て来てビックリしたよ。天国で喜んでいるね。人生のちょっとした悲しみやズレをきちんと撮れば、コメディになるんじゃないかな!笑わせようとする必要はないんだ。」

 

 飲んだくれもたまにはいいこと言うじゃあ〜りませんか!チェーホフの戯曲だって、コメディって言いますからね。

yeah, ob-la-di ob-la-da life goes on
bra la-la how the life goes on

yeah, ob-la-di ob-la-da life goes on
bra la-la how the life goes on
そう、オブラディ、オブラダ、人生は続くんだ
そうさ、人生はずっと続くんだ!
and if you want some fun,
take ob-la-di ob-la-da
そう、もっと楽しまなきゃ だから
オブラディ、オブラダ(って)歌おうよ!

思い出の歌:you're only lonely  J.D.サウザー

  • 2019.10.31 Thursday
  • 01:22

 休日に家族そろって、家で食事をすることが多い。今日もスーパーで半額セールになった刺身と牛肉を買ってホットプレートで焼肉です。いつもは和牛を買って味をチェックするんですが、今日は北海道産の国産牛のミスジと三角バラの半額セットを買いました。何故そうしたかというと、アメリカはトランプ大統領の剛腕を前に、アメリカ牛が日本に多量に安く輸出できるようになるからです。非和牛肉は輸入牛肉と正面から勝負することになります。今日の国産牛は今までになく、見るからに輸入肉のような脂。国産牛でもここまで輸入牛と似た脂の形状は珍しい。それでもアメリカ牛の倍の値段です。

 

 みんなで感想を述べあい、その後いつものユーチューブを観ます。

 

 今夜兄の選んだ曲は、1979年リリースの、サウザーの大ヒット曲です。昨日テレビの音楽番組で紹介されていたというのです。

 兄によると、自分ではほとんどレコードを出さず、バーズやリンダ・ロンシュタットに曲を提供したり一緒に歌ったりしていたそうです。この曲はだれでもわかる言葉だけで作ろうとしたとサウザーは先の番組で語っていた由。

 いい曲じゃぁ、ありませんか!! 青春時代にこんな歌の一つでも聞いていたら、もっとましな日々だったのにねぇ。とは言え、若いということはそういうことでしょう。←ぜって〜戻りたくねぇ。Y(>_<、)Y

 

 次のライブ映像は、遺伝子操作による農作物開発を進める巨大生物工業企業体モンサントに対抗して、ニールヤングが立ち上げた、アメリカの農民を守るファームエイドのコンサートに、サウザーが出演した時のものです。1985年ですね。軟弱に見えて腰の据わった方でございますね。というか、腰の据わった軟弱さでございます。日本に軟弱な硬派歌手・軟弱な軟弱歌手は数あれど、こういう硬派な軟弱歌手は忌野清志郎・斉藤和義・三波春夫以外見かけないですね。おや爺、憧れでございます。

you're only lonely

たったひとりだ と思えるときには

 

when the world is ready to fall
on your little shoulders
and when you're feelin'
lonely and small
you need somebody there to hold you
you can call out my name
when you're only lonely
now don't you ever be ashamed
when you're only lonely

 その きみの小さな両肩に 世界が
今にも重くのしかかる 自分が
ひとりで ちっぽけに思える時には
きみを抱きしめる誰かが必要なんだ
僕の名前を呼べるだろ
一人なんだと落ち込むときには
恥ずかしいことなんかないんだ そうとも
たったひとりだって思えるときには

 
when you need somebody around
on the nights that try you
remember I was there
when you were a queen
and I'll be the last one
there beside you
so you can call out my name
when you're only lonely
now don't you ever be ashamed
when you're only lonely
夜がきみを苦しめる
誰かいてほしいのに
きみがみんなの中心だった時も
思いだしてごらんよ
僕はそこにいたんだ
そばにいる
最後の一人になってもね だから
僕の名前を呼べるだろ
自分は一人なんだと落ち込むときには
恥ずかしいことなんかないんだ そうとも
たったひとりだって思えるときには

 

ooh…
when the world is ready to fall
on your little shoulders
and when you're feelin'
lonely and small
you need somebody there to hold you
so don't you ever be ashamed
when you're only lonely
darling call out my name
when you're only lonely
(you're only lonely)
when you're only lonely
(you're only lonely)
その きみの小さな両肩に 世界が
今にも重くのしかかる 自分が
ひとりで ちっぽけに思える時には
きみを抱きしめる誰かが必要なんだ
そうさ 恥ずかしいことなんかないんだ 
たったひとりだって思えるときには そうさ
僕の名前を呼べるだろ
自分は一人なんだと落ち込むときには 
たったひとりだって思えるときには

oh, it's no crime
darlin’we got lots of time
whoa (you're only lonely)
whoa (you're only lonely)
no, there's nothin' wrong with you
darlin', I get lonely too
(you're only lonely)
(you're only lonely)

 いいんだよ
そうさ 時間はたっぷりあるんだから
自分は一人なんだと落ち込むときは そうさ
きみが独りで淋しいときは そうさ
きみは間違っちゃいない そうさ
きみの思いは一人じゃないんだ
自分は一人なんだと落ち込むときは
たったひとりだって思えるときには

 

So, if you need me
All you've gotta do is call me
Now you're only lonely

僕を必要なら そうさ
僕を呼べばいいんだ
たったひとりだって思うときには
            (訳:おや爺)

 

 Yよ、元気でいるか!!
 ところで、浜田省吾ががっつり影響されていると思うのはわたしだけ?

映画「1987ある闘いの真実」:ジャーナリストとニューズ(イサムノグチ)

  • 2019.10.29 Tuesday
  • 15:22

 テレビニュースやヤフー・グーグルなどのネットニュースに怖くて目を背けるようになってからどのくらい経つのだろう。もともと、家にテレビを置かないこともあるけど。

 視聴率やネットのヒット数を得るためだけに、ヘイト熱を加速させたり、無邪気に戦争をあおっているとしか、わたしには思えない。

 ジャーナリストと呼ばれる人たちは一体どこへ行ったのか。

 

 もう半年くらい目になろうか、シアターキノで韓国映画「1987ある闘いの真実」を観てきた。

 1980年に、選挙の名のもとに、軍事独裁政権に就いた全斗煥大統領は、労働運動をはじめ、学生運動などあらゆる民主化運動を弾圧をした。その中でも軍隊・空挺部隊を投入して、光州市の一般市民を弾圧した、血の光州事件は歴史に残る陰惨なものだった。鎮圧に向かった部隊の士気が緩まないよう,兵士達に覚醒剤まで使ったという話まで流れたほどの弾圧ぶりだった。一般市民の死者100名以上負傷者数千名に上る。のちに、光州事件で逮捕された市民たちの名誉は回復され、その日5月18日は国家の記念日となっている。

 

  全斗煥独裁政権下で経済の発展もある程度遂げつつある1987年、民主化デモの首謀者と連携を図っているという容疑で逮捕されたソウル大学生が、警察の拷問で虐殺された。当局は隠ぺいを図る。それを暴こうとする一人の飲んだくれの検察官、大勢に従おうとするマスメディア記者たちと真実を暴こうとする少数のジャーナリスト。隠ぺいしようとする上司・マスコミ上層部、無関心な大学生、連帯する労働者や大学生、北朝鮮当局よって家族を殺された過去をもつ拷問室の所長。

 

 一寸先の筋書きも読めない優れた脚本。往年の黒澤映画を見ているような、一筋縄ではいかない人物描写。陰惨な場面も多いが、ひねったユーモア、笑いあり、超一級のエンターテインメント映画、というのがわたしの感想だった。

 大学以来の友人に勧めたら、大絶賛だった。やはり一級のエンターテインメントだと言った。メールが来て、「今呑んでる。50年前、大学生の時お前が興奮して、夜中に下宿先に来たんだよ。覚えてるか。今すごいハリウッド映画を見た。ヘンリーフォンダ主演の『12人の怒れる男たち』って言うんだ。これが本当のアメリカの民主主義なんだ、と俺に言いに来たのを思い出したよ。」(あ〜、そんなこともありましたねぇ、お恥ずかしい。真夜中のテレビでやっていたのを偶然見たんですが……。それ以後クラッシックなハリウッド映画にのめり込みました。)

 

 9月26日の北海道新聞「はなし抄」に、映画の主人公の一人で・その過酷な時代に真実を暴こうとして牢獄に入り、生き抜いた韓国人ジャーナリストの講演が出ていた。

続きを読む >>

思い出の歌と旧友からのメール:若者たち ザ・ブロードサイド・フォー

  • 2019.08.22 Thursday
  • 00:22

 カレッジ・フォーク、代表曲の一つ。学生時代所属していたクラブで、集まりの前後でよく歌われていた歌。テレビ番組「若者たち」の主題歌・挿入歌だった。よくちゃぶ台(もはや死語)をひっくり返して兄弟喧嘩していた場面を覚えておりますね。1960年代後半までは生活の苦しさから、日本の家庭の中にこんな諍いが存在していたんですよね。何か在日朝鮮人の世界を見ているみたいでしたね。わたしの抱えてる問題は、必ずしも民族的な問題ではなくて、経済的なものからも来ていたんだと知らされました。

 

 今聞くと格別若者たちの歌でもなくて、幾つになろうと、幾つであろうと、ひとの在り様の歌に思えます。

 <空にまた 陽がのぼるとき>、ボブ・ディランじゃないけど、残りの人生の最初の日が、始まるんですからね。ときに立ち止まり、ささやかでも<また 歩き始める>よりほかはないんです!

 

 誰でも思うんでしょうが、この歌詞の記憶的インパクトは、<だのに 何故>ではないでしょうか。<なのに 何故>ではなく、濁音<だ>の強いインパクトが、<なのに>よりさらに強い衝撃を与える気がします。学生の頃<のに>という接続詞にいやおうなく惹かれる経験をした身としては、つい考え込んでしまいます。そういえばブログで<のにをかかえて>という記事を書いてましたわ。

 

 このフォーク・グループは、巨匠黒澤明の息子・黒沢久雄がリーダーだったような……。なんかこの写真の田中邦衛、えらくかっこいい!!←青大将(これについては加山雄三若大将シリーズをご覧ください)じゃないみたい。

 

 ブロードサイド・フォーにはもう一つ有名な曲があります。

 「星に祈りを」

 歌詞は今聞くと、語の選択が、あまりと言えば、ひどいですなぁ。なぜあんなに好きだったんだろう。きっと人を好きになることに、心底、憧れていたんだろうなぁ。恋愛経験のないマヌケな若者の、そういう思いを加速させる歌詞ではありまするね。いや〜、ホント、頓馬でばかですねぇ、10代のわたし。←今もだろう、おや爺よ! 

 作詞・作曲が、以前ブログで紹介した「あなたのすべてを」の佐々木勉だったことをすっかり忘れておりました。

 

 追補:この記事を読んだ大学以来の旧友からメールが届いた。

『学生の頃、佐藤オリエが大好きで、辛気臭い山本圭が嫌いだった。お前だけじゃないんだよ、って感じかな!石立鉄男とスクラム組んで歩くシーンで涙したものです。大好きですべて観てたよ。馬鹿でしたね〜!』

 

 わたしのリターン・メール。

『あはは、馬鹿ですね〜!!』

大学図書館の思い出:思想のドラマトゥルギー

  • 2019.08.05 Monday
  • 13:27

 8月2日の北海道新聞朝刊に、哲学者・久野収没後20年という題の記事が掲載されていた。久野収の本はほとんど読んだことがないが、60年代から70年代初頭、雑誌の対談やインタビューなどに結構出ていた知識人の一人だ。

 第二次大戦・日中戦争と日本が前のめりで戦争に向かっていたころの文学者や、学者たちの生き方が気になって、その種の本をよく読んだ時期がある。彼らが戦前・戦中を潜り抜けて、戦後民主主義と言われる戦後をどのように生きたのか。他人事のように思えなかったのだ。高村光太郎・三好達治をはじめとする詩人たち、京都学派の哲学者谷川徹や田辺元、わたしの好きだった独立の哲学者・三木清。物理学者の湯川秀樹や坂田昌一・武谷三男・朝永振一郎らの素粒子論グループの軌跡が書かれた本を読んだ。

 

 わたしがそれら知識人に、ただ憧れたからではなく、戦争に反対したり・諸手を挙げて翼賛する、または戦争を他人事のように見る普通の市井の人々が、表面的には何ごともないように、あるいはこっそりとこころの中を押し隠して・戦中戦後をくぐり抜けてきた問題が、彼らの書物を通じて、隠しようもなく、より鮮明に・露に・されてくるからだ。

 

 大学の同級生や先輩たちは、恐ろしい読書家ばかりだった(ばかりに思えた)。北杜夫や石坂洋次郎の青春小説しか読まない阿保バカ大学生(←わたしのことだが)が必死になって、フォイエルバッハだの、デカルト・サルトルだの、わかりもしない難しい本を読み始めた。大学の湿った薄暗い図書館に通い、読み始めた本の中に、林達夫と久野収の対談、『思想のドラマトゥルギー』があった。彼らの語ることが正しいというより、どれほど多くの本を読めばこういう厚みのあるバックグラウンドができるのだろうという思いに駆られた記憶がよみがえる。林の親しい友人であり・獄中で亡くなった哲学者・三木清への哀惜を込めた発言や、特攻隊の遺書にも引用された『ミケルアンジェロ』を書いた歴史家・羽仁五郎への評価、『雀百まで踊り忘れず』・『馬鹿の一つ覚え』は今も忘れることなく心に残っている。

 

 今、わたしはどう生きようとしているのだろう。二度の戦争に翻弄され、亡くなる直前まで、私達子供にも心を明かせなかったアボジとオモニを持つ在日朝鮮人二世として、これだけは守りたい。どんなに憎みあおうと国と国の位置は動かすことはできない。とするなら戦争を回避する道を選ぶほかはないのだ。少なくとも、自分の自堕落な生き方を肝に銘じて、国家を背負い、国家の威を借りる・危険な火遊び発言だけはすまい。同じアジアで、日々生き・悩み、笑う人と人とが、パイザとなって結びつくあり方を、自分たちの・何十年か考え続けてたどり着いたささやかな料理や、このブログを通じて、模索したいと願っている。

 

 東北アジアできな臭い戦争の風が吹いている気がして落ち着かない。しかし、なお、尊敬する・日本の知られざる臨床心理学者や、ならず者の時代を生き抜いたアメリカの女性劇作家や歴史学者のように、何があろうと、ひとの精神とこころは、自由快活に生きてゆけることを、自分のこころのありようを通して実証したい。

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