落語へのお誘い

  • 2017.05.09 Tuesday
  • 22:57

 休みに温泉につかりに行ったときEテレを見ました。落語入門:落語the movieという番組でした。落語は一人でやるものですが、それを映像と重ね合わせて、落語を楽しむ入口にしてもらうという発想です。なかなか良くできておもしろいものでした。探したらユーチューブにあったので、ご覧ください。

 さて申すまでもなく落語は日本独特のものです。独りでいろんな役を演じる、扇子一つでいろんなものを表現するなどの色々な約束事があります。普段わたし(たち)はそれを当たり前のように、何気なく受け入れていますが、落語文化のない人たちにとっては、当たり前ではありません。それは、次の英語で解説する落語をみるとよく分かります。分かりやすい英語なので、ちょこっと我慢してみてください。結構面白いもんです。こういう映像をみると、落語って憲法9条と並んで、日本が世界に誇る文化だと思いますね。手

 ついでに以前このブログで紹介した落語『たが屋』もユーチューブで見つけたので載せます。時間のない方は6分50秒からご覧ください。

 

 五代目志ん生版もあるのでよかったら聴いてみてください。志ん生の枕を聞くと、江戸時代の侍が、テレビや小説で描いているより、本質的には野蛮で、現代の『葉隠れ』なんて冗談じゃないって思っちゃいますね。ところで現代のお侍さんて誰なんだろう? おらぁ、商人(あきんど)でけっこうざんす。hirasan

思い出の歌:ユーヴ・ガッタ・フレンド レディ・ガガ

  • 2017.02.14 Tuesday
  • 20:27

 鬱屈していた大学一年のとき、洋楽に詳しい理学部の男から教えてもらった曲だ。キャロル・キングが作曲し、自からも歌っているが、その頃彼女と同棲していた(?)ジェームス・テイラーのほうもよく聞かされた。

 いい曲だな、と思いながら、こころのそこの底では、ウソっぽく感じ、わたしにはこんな友達はできっこないと考えていたのを思い出す。

 それから少数だが、いまも付き合いの続く親しい友人ができ、支えとなる本や考え方と出会って、自分は、ひとにとって、こういう友達になっているか、苦い思いで自問することもあった。

 ここでいう<友達>は、実際の友達というより、世界のどこかにいる・こころに浮かぶ有名・無名のひとびとという気も、今はしている。

 

 店の休みに、奥さんの手料理とお酒を飲みながら、家族でユーチューブを見ること多い。先日突然そこで、兄が、レディ・ガガがすごくいいんだと言った。わたしは漠然とマドンナの亜流と思っていたのだが、スーパーボウルのハーフタイム中のライブを観て、いまさら遅いが、びっくり仰天した。すごいのである。←おそいぞ、おや爺。ムスっムスっ 兄のリクエストで、キャロルキングとジェームステイラーの歌を聞いた後、たまたま、レディ・ガガのトリビュート演奏を聴いたのだった。それが次の映像だ。

 

 先の見えなかった思春期に、この曲でどんなにか救われたか、キャロルの存在をそばに感じてどれほど嬉しかったか、歌う前に、ガガが想いを込めて語っている。

 キャロル、今は、あなたにはわたしがいるのよ、と応えるように歌っている。

 (何故か始まりにレッドツェッペリンのwhole lotta love の有名なリフが入っておりますが、15秒後にガガのライブが始まります。)

You've Got A Friend

きみがいるから

 

When you're down and troubled

And you need some loving care

And nothing, nothing is going right

Close your eyes and think of me

And soon I will be there

To brighten up even your darkest night

落ち込み、膝を抱えている、

独りに、きみがもう耐えられないとき、

何もかもがうまくいかないときには、

目を閉じて、わたしのことを思い出して、

すぐにきみのもとに行くから

どんなに真っ暗な夜でも明るくしてあげる。

 

You just call out my name

And you know wherever I am

I'll come running to see you again

Winter, spring, summer or fall

Oh, baby

All you have to do is call

And I'll be there

Yes, I will

You've got a friend

ただ、わたしの名を呼べばいいの

分かるでしょう、わたしがどこにいようと、

すぐに会いに行くわ 息せき切って。

 冬でも、春でも、夏でも、秋でも そう いつだって

わたしの名を呼びさえすればいい

そこにいるから

だって、きみは友達だもの。

 

When the sky above you

Grows dark and full of clouds

And that old north wind begins to blow

Close your eyes and think of me

And call my name out loud

Soon I'll come knocking at your door

目の前の空 がどんどん暗くなって、

雲が覆い尽くす

あのいつもの冷たい北風が吹き始めても

慌てないで。

わたしの名を呼んで、大きな声で。

すぐにドアをノックするのが聞こえるはず。

 

You just call out my name

And you know wherever I am

I'll come running running to see you again

Winter, spring, summer or fall

Oh, baby

All you have to do is call

And I'll be there

Yes, I will

You've got a friend

ただ、わたしの名を呼べばいいの

分かるでしょう、わたしがどこにいようと、

すぐに会いに行くから 息せき切って 走って。

 冬でも、春でも、夏でも、秋でも そういつだって

わたしの名を呼びさえすればいい

そこにいるから、信じて。

だって、きみは友達だもの。

 

Now ain't it good to know that you've got a friend

When people can be so colder

They'll hurt you, yes, and desert you

They'll take your soul if you let them

Oh, but don't you let them

ね、 友達がいるって気づくってステキ、

世界がとても冷たくなって

きみを傷つけ独りにする

放っておけばきみの根っこまで奪ってしまう。

だからって

黙っていてはダメ。

You just call out my name

And you know wherever I am

I'll come running, running, running just to see you again

Winter, spring, summer or fall

Oh, baby

All you have to do is call

And I'll be there  and I'll be there

Carole, You've got a friend

Oh yes, you do

Baby, I love you

You've got a friend

Carole, I love you

You've got a friend

ただ、わたしの名を呼べばいいの

分かるでしょう、わたしがどこにいようと、

すぐにまた会いに行くわ はしって はしって 息せき切って。

 冬でも、春でも、夏でも、秋でも そうよ、いつでも

わたしの名を呼びさえすればいい。

そこにいるから。いつだって

こんどは わたしがきみのそばにいる

だって、きみは友達だもの

だって わたしは友達だもの。

ユーヴ・ガッタ・フレンド.

  (レディ・ガガ版訳:おや爺)

思い出の歌:クリスマスをゆっくりとお過ごしください。let it be me

  • 2016.12.23 Friday
  • 08:00

 エヴァリー・ブラザーズの大々ヒット曲<let it be me みつめていたい>。わたしの世代の人なら一度は耳にしたことがあるんじゃないかしら。

 これは恋愛の歌なのでしょうが、もっと広げて祈りの歌と解釈したいおや爺でありますね。祈りの対象は、神であったり、信念であったり、この世界の苦しむ人々であったり、歴史の進歩であるかもしれません。いまだ遠くにいる、まだ見ぬひとや、すぐそばに当たり前にいて、かけがえのない価値に、わたし(たち)が気づかない人やものでもあるかもしれません。

 

 全然知らなかったんですが、ビートルズのジョージ・ハリスンが歌っているんですよ。これが彼らしくってすごくいいんです。ユーチューブのコメントを見ると、生前は発表していなかったみたいですね。

 マーティン・スコルセッシ監督の映画のサウンドトラック<living in the material world>のボーナストラックに入っているそうです。これもこの曲に象徴的なタイトルですね(確かハリスンの最初のソロアルバムも同じタイトルだったような……)。<物質世界の中で>と普通訳すんでしょうが、<金拝主義の世界で>としたいおや爺であります。 

 

Let It Be Me
みつめていたい


I bless the day I found you
I want to stay around you
And so I beg you
Let it be me
あかるい朝

を 迎える

のが 怖かった

日々

あの日 

きみと出逢えたことを
 祈るように感謝してる
きみのそばに いたいんだ
お願いだ
そっと見つめていたい

Don't take this heaven from one
If you must cling to someone
Now and forever
Let it be me
このやすらぎを奪わないで

きみのとなりで

このまま 

きみを 


Each time we meet, love
I find complete love
Without your sweet love
What would life be?
みつめるたび

きみへの想いが深くなるんだ

きみのいない世界で

どうして生きて行けただろう


So never leave me lonely
Tell me you'll love me only
And that you'll always
Let it be me
だから ねぇお願いだ

ひとりにしないで

そばにいさせて

このまま きみを

みつめていたい
        (ジョージ・ハリスン版 訳:おや爺)

 

 以下のビデオは、わたしの大好きな映画『スタンド・バイ・ミー』の監督、ロブ・ライナーの映画<flipped>です。まだ観てないんですけど、ちょっと意味深な題で、そそられますね。この予告編を見ただけでも、こういう映画を作らせると、非常にうまい監督であることがわかります。



 

 韓国の軍事独裁政権下を生き抜いた、有名なフォーク歌手たちが、同時代を生きたひとびとへの想いをこめて歌うヴァージョンも好きです。よろしかったらご覧ください。最初の曲です。

 なんか、好きな人の横顔を見ているのが好きなんですよね。

 この記事を、ms.maryと京都に住む若い友人夫婦、24日おまかせのコースで来られる若い爽やかなカップルのS様、同時代を生きる人々に送ります。

詩の架け橋◆東日本大震災以後

  • 2016.11.24 Thursday
  • 12:16

 昨日福島を震源とする大きな地震があった。

 福島原発事故後、福島を自主避難して旭川に住む詩人・曳地奈穂子さんを詩集をひょんなきっかけで手にした。彼女の詩集・あの日からを読みながら、<詩の架け橋>と言う言葉が浮かんだ。

 曳地さんは福島から自主避難した方だが、自主避難せず、留まることを決意した方もいる。強制避難した場所に暮らさざるを得なかった方もいらっしゃるだろう。そういう方たちの詩も読みたいと思った。ひとのこころの架け橋のための詩などと言うのはないが、それぞれの詩をつうじて、世界が無数のこころの架け橋でつながる光景をおもい浮かべた。

 11月20日北海道新聞の日曜文芸短歌欄で、田中綾北海学園大教授が紹介している。現代短歌にとって、『3・11以降』が非常に大きなテーマになっているという。次の歌は仙台市在住の留まることを決意した(<逃げないひと>)歌人・佐藤通雅さんのもの。

逃げるひとは逃げないひとを、逃げないひとは逃げゆくひとを深く傷つける

 同じ仙台市から、子どもを連れて九州に移住を決めた女性歌人・大口玲子さんの歌。
なぜ避難したかと問はれ「子が大事」と答へてまた誰かを傷つけて

 福島県いわき市在住の女性歌人・高木圭子さんの歌。
その人は明日逃ぐる人明日想ひ明日を信じて明日逃ぐる人

この最後にあげた歌に対して、「さまざまな事情で土地を離れる人たちにもそれぞれの『明日』があり、その明日を『信じて』選択したのだから、一概に傷を問うべきではない、という歌だろう。同調圧力の強い日本社会において、短歌はむしろ、個の言葉、発想を保ち続けていることに、勇気づけられる。」と解説している。

 「自主(強制)避難した」、「留まる」、「逃げるひと」、「逃げないひと」、と書きながらこころが泡立つのを感じてしまうのは、どちらにしてもこういう言葉を使わざる得ない、非日常の体験を強いられ続けたすえの、自身の決断なのだ、という思いだ。だとするなら、強いたものとは何かを、誰かに問うてもらうのではなく、わたしたちがこころの論理とともに問うことが、<詩の架け橋に>、<同調圧力の強い日本社会において、短歌はむしろ、個の言葉、発想を保ち続けていることに>なるのだろう。

ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞

  • 2016.10.14 Friday
  • 10:53

 もともとコンスタントには読まれている古い記事の一つでしたが、昨日の夜から突然、ボブ・ディランと、彼の曲<i want you>・<forever yong>が検索ワードでえらいこと見られております。なんかあったのかと思うておりましたら、今朝新聞で、ノーベル文学賞をとったことを知りました。

 う〜ン、ノーベル文学賞ってほんとよくわからんちんですねぇ。平和賞もそうですけど……。ディラン関連の記事はこちらです。

 

思い出の歌ァДリスマスをボブ・ディランの歌とお過ごしください。 spending chirtmas eve with love and peace.

 

毎日が きみの 初まりの日:Forever Young 

 

2016年のパイザ Дリスマス・イブを二つのガールズバンドでお楽しみください きみはひとりだと思うか。

 

いま店に置いている詩:毎日が きみの 初まりの日 

 

 2015年のパイザ:こんな時代に

思い出の歌:アルプス一万尺

  • 2016.10.06 Thursday
  • 10:25

 昔タモリ倶楽部という番組で、空耳アワーというコーナーがありました。大好きで見るのを楽しみにしていました。外国語が日本語に聞こえてくると言うものです。ちょっとお下品なので閲覧に注意しましょう。

 ひとにはだれでもそんな曲がいくつかあるでしょうが、『アルプス一万尺』がわたしの空耳です。子どもの頃から聞いていて、ヘンチョコリンな曲だなぁと思いながらも、よく歌ったのです。しかも2番までしか知らなかったのですが、何と30番くらいまで歌詞があるのでした。わたしは2番までを繰り返し延々と、コーラスパートをくっつけて歌っておったのですな。絵に書くとこんな感じでございますね。

1番:アルプス一万尺 子ヤギの上で アルペン踊りを 踊りましょ。らん〜らららら、らん〜らららららら らん〜らららららら らん〜らららららら へい

2番:昨日見た夢 でっかいちいさい夢だよ蚤がリキシャで 栗登山。らん〜らららら、らん〜らららららら らん〜らららららら らん〜らららららら へい

1番 :アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを 踊りましょ
2番 :昨日見た夢 でっかいちいさい夢だよのみがリュックしょって 富士登山

 本当の歌詞はこうです。本当の歌詞もよくわからんちんですね。ネットで検索すると、先にあげたわたしの知ってる歌詞のものはほとんどありません。以下のものが大半です。

一番:アルプスいちまんじゃく
こやりのうえで
アルペンおどりを
さぁ おどりましょ
ランラランランランランランラン ヘイ!
2番:おはなばたけで
ひるねをすれば
ちょうちょうがとんできて
キスをする
ランラランランランランランラン ヘイ!

 

 一体どうなちょるんでしょう?奥さんに聞くとこちらの方しか知らないというではありませんか。でもですねぇ、わたしが子供の頃(60年近く前)はですねぇ、キスなどという言葉が、相手がちょうちょう(これも、今のいままで、ちょうちょと思っていた!)とはいえ、そんな手遊び歌に入る訳はないのでございますね。じつにけしからんですね、立派にヘンチョコリンな歌を、こんなミョ〜に健康的な歌詞に変えてしまうなんて!!ムスっ

 

 原曲はアメリカ民謡らしいんですが、元歌の歌詞もヘンチョコリンでした…ヘイ!hirasanhirasan

思い出の歌:朝露 ヤン・ヒウン キム・ミンギ

  • 2016.07.27 Wednesday
  • 01:53

 2003年、アメリカ・イギリスを主力とする空爆によって、大量の無差別破壊兵器を持つといわれた、イラクのフセイン政権が崩壊した。

 

 13年後の今年7月初めにいわゆるチルコット・リポート(実に7年にわたる調査、6,000ページ、12巻に及ぶ・イギリスのイラク戦争検証報告書)がイギリスで発表された。

 そのチルコット卿の誠実な発言をネットで見ることができる。

 

 その結論とは何か? 大量破壊兵器は存在せず、イラク空爆の法的根拠もなく・ただブッシュ大統領との内密の約束と、大勢にそった無責任な決断に従ったもので、軍事行動が最終的な選択肢ではなかったというものだった。わたし(たちの大半)は、当時のメディアに従い、フセインの極悪な制度も悪いということを免罪符に、イラク侵攻にこころのそこで賛成したと言っていい。

 

 フランス・ドイツ・中国・ロシアが反対したものの、率先した日本をはじめ韓国その他の多くの国が加担した戦争で、イラク全土は壊滅的に破壊され、日本のどこでも見かけるような、ただ普通の小さなこどもや、買い物をするような一般市民が10数万殺されたのだ。

 難民は200万(札幌全体の人口だ)を超えるとまで言われる。アメリカ軍が使った劣化ウラン弾の放射能は、生まれてきた赤ん坊ばかりではなく、地上戦に参加した先進国兵士まで深い障害をを与えている。街で遊ぶ子供たちや、わたしたちと同じように、日々を平凡に生きる主婦であったり、父母であったろう命や無数の名前や夢が、空爆によって、リセットできるテレビゲームの世界のように、粉みじんに飛び散ったのだ。それらすべてが、同じ時代・世界を生きるわたしたちの頭からきれいさっぱりと忘れさられるとともに、無数の無差別テロという形になって世界に散らばるのだろうか。

 

 まだ学生だった1970年代初頭、韓国はまだ軍事独裁政権で、一般市民・労働者や、大学生に、無実の・無益な罪を覆いかぶせて、激烈な弾圧を加えてていた。韓国内では数多くのデモや、蜂起が、あった。そんな時代でなければ、普通に生き、死を迎えたであろう、無名の、だがもちろんわたし(たち)と同じく・固有の名を持つ社会人や主婦や学生が拷問・虐殺された。

民主主義を求める運動の中で多くの人に歌われたいくたの歌や詩は、発禁・放送禁止処分にされ、詩人や歌手・作曲家は、投獄された。わたしのようにいい加減に生きた者でも、(同じ世代の韓国・朝鮮人にとっては)、忘れられない犠牲者や、多くの歌い継がれた曲があった、と思う。

 

 この曲はその中でも特別な存在ではなかろうか。1971年に発表・発禁処分にされたこの<アチミスル(朝露)>は、ヤン・ヒウン、19歳のデビュー曲だったことを、今回始めて知った。作曲した金民基は投獄された。放送禁止にされたものの、歌詞に政治を語る部分は何一つない。歌詞と旋律が、人々の口から、口へ、と伝わる中で、それぞれの言葉が暗喩となって、政治や生きることへの共通の想いが伝わっていったのだと言える。

 

 긴 밤 지새우고 풀잎마다 맺힌
長い、長い夜に耐え、草葉に宿る

진주보다 더 고운 아침이슬처럼
真珠よりも柔和な朝露よ

내 맘에 설움이 알알이 맺힐 때
悲しみが一粒、
また一粒 

こころに宿るときには

아침 동산에 올라 작은 미소를 배운다
朝の丘に立ち ちぃさな微笑の意味をしるがいい

태양은 묘지 위에 붉게 떠오르고
灼熱の太陽は墓たちの上を 照りつける 

한낮의 찌는 더위는 나의 시련일지라
うだるような暑さは わたしの試練か

나 이제 가노라 저 거친 광야에
わたしは行く、あの荒野へ

서러움 모두 버리고 나 이제 가노라
わたしは行く 悲しみふり棄て

       (訳:おや爺)

 

 韓国が民主化されて、30年も経っていない。けれど同じアジアに位置する先進国・日本にしたところで、1945年の敗戦後、民主主義の道を歩み始めるまで、虐殺し・された多くの・名もなく・忘れられた普通の人々がいたに違いないのだ。そして、わたしの愚かな目に触れないまま、今もアジアやアフリカや、名も知らぬ国や、世界中に、日本の中に、いるのだろう。わたしたちに忘れられた、気も遠くなるような・無名者の数だけ、世界から民主主義は遠ざかっていく気がする。

 

 韓国映画・セシボン(70年代の韓国フォーク歌手やそれを取り巻く人々の姿を描いた映画)に入れ込んだわたしの奥さんによると、牢獄に入って自分の存在意味を失い自殺を企てた者、ファンの差し入れにあったマリファナで捕まった者・アメリカに渡った者もいたと言う。ヤンヒウンもその後生き方を悩む中で、子宮癌の手術も受けたという。けれど彼らは今も自分の好きな音楽を楽しみ、世代を超えて歌い継がれている。ヤンヒウンは自分の歌を、世代を超え、国を超えて、<青春>の中にいる人々への賛歌だと語っていた。

 

 次のユーチューブは、若いころの写真をバックに歌う歳をとった彼等の歌声だ。60年代に流行ったアメリカの歌が、英語のまま歌われるのは、当時の日本と違って、アメリカの影響をより直接に受けていたせいなのだろうか。わたしのお好みは、『あなたと最初に出会った日の想い」をこめ、「いつまでもあなたをそっと見つめていたい』と祈るように歌うlet it be me (最初の曲)と、「あの夏の日のようにもう一度踊ろう」と言う・若々しいlet's twist again(52分12秒から)だ。昔サッポロビールのCMで野球応援のシーンで流れていた気がする。いつか自分で訳したい誘惑に駆られる声だと思う。

 とてもがんを経験したとは思えない現在のヤンヒウンの歌声(24分45秒から)も聴ける。

 

 学生の頃、日本社会を論じた、東京大学教授で社会学者だった中根千枝の著書『タテ社会の人間関係』が必読書の一つになっていたっけ。そういうお上を支えるタテ社会では、人々の自立的な横の連帯を、よこしまなものと見るのだろうか。横のつながりを、よこしま(邪)にみる社会は世代間をこえる歌ができないのだろうか。

現代美術家・川俣正さんが、とうとう岩見沢でのプロジェクトを始めます。

  • 2016.07.23 Saturday
  • 08:35

 多分世界でもっとも知られている現代美術家の一人でありながら・多分地元でちっとも知られていない現代美術家・川俣正さんの直筆ドローイング展が、7月20日からJR岩見沢駅舎内、有明交流プラザ2階で開催されています。 

 

 何のドローイングか? と申しますと、彼の北海道インプログレスという美術活動の一環として行われた三笠プロジェクト(三笠の廃校になった小学校を利用した作品)の直筆ドローイングでございますね。ベニヤと段ボールを使った作品群でございますね。はぁ〜、なんかよくわからない? そうざんすね、美術も人生も将来何が使えるのかよくわからない。なんせ、あの見慣れた段ボールが驚くべき世界的作品になるんですからね。

 

 世の価値観に流される<民意>に同調して安心したり、外れて不安になることがばかばかしい限りに思えて来ます。ならば、震災直後<政治的にも、いろんな意味で終わっている日本>と言っていた現代美術家・川俣(岩見沢4条通りを歩きながらの発言)の現代美術を見れば、先のわからない人生にわからない楽しみが生まれてくるかも……。

 

 当店の元バイトS井さんが、社会人となって会場受付をしております。サインをもらうのもいいでしょう。←信用しちゃだめ!

男脂臭:さえないおっさん達のダンス old men grooving

  • 2016.07.10 Sunday
  • 01:58

 どこで目に入ったんだか、雑誌の広告だかに、『男脂臭を消す』というまがまがしい宣伝文句を見たのでございますね。なんですか〜、男・脂・臭? 知っていました? おっさんの皆さん。おや爺なんてどう読むのかもわからしまへんがな。仕方ないので、濃ゆ〜く勝手に、『おとこあぶらしゅう』と読むことにしました。ちゅん カレー臭、もとい、加齢臭というふざけた言葉すらもう甘いのでございますね、最近は。_| ̄|○

 

 自分の匂いで、まわりの人に迷惑をかけるんだそうな。おや爺に言わせると、そんなまわりの存在こそ迷惑です!! 人間をなんだと思っているんでしょうね。汗をかく動物だということを忘れると、地球上で、人が一番偉い生物などととんでもない妄想がわいてきたり、自分だけがキレイな存在だと誤解するんですな。臭いがするのが当たり前、しないのが特別な時なんであって、逆ではないと言いたい。火

 

 今は爺様の代議士をしている男で、昔彼が小説家だった頃、黒人を人種差別すべきはないと言っても、彼らの体臭はたまらんというようなことを書いたことがありましたな。こういう姑息な論理展開をする人間とはどういう人物なんだと憤慨したものです。人には体臭よりも耐えられない、鼻も曲がるような思想的悪臭があるということも知らん男の小説など読む気がしません。

 

 その点石坂洋次郎はエラ〜おましたな。以前にもブログで書きましたが、『若い川の流れで』に書いております。若い女性と付き合うのが苦手な主人公の曽根健助が、はじめてあった女性とテニスをし、うちとける印象的なシーンです。

『夕方まで遊んで、二人はテニス・コートから引き上げた。快い疲労が、若い二人の肉体を柔らかくほぐしていた。そして汗と一所に、初対面の気づかいまで、すっかり流されてしまったようで、健助は、ふさ子の背中に腕をまわし、肌と肌を触れ合わせながら歩いた。おたがいの髪や体臭がかすかに匂って、それが素朴な親しみをかきたてた。』

 どうですか、若い皆さん、今的ギスギスさとは無縁の・このゆったりとした感覚、憧れませんか、人間的な上にも人間的な光景。目に浮かぶようです。こういう胸ときめくシーンを8×4などという無粋な制汗剤に邪魔させてはいけませぬ。

 

 男・脂・臭があろうが、外見がさえなかろうが、ただおっさんであると言うだけでナメテはいけません。人は外部と内部が違うから人なんです。という訳でイギリスのサエないおっさん達が、英国のテレビ番組<britain's got talent>で見せるダンスをご覧ください。タレント発掘番組にでる・教師や臨時講師その他普通の職業の汗臭いおっさん達のおたのしみ(題は、オールドメン・グルービングが踊り炸裂、でも背骨爆裂かも…くらいの意味ですか)。

Englishman in Korea:韓国の英国人

  • 2016.07.08 Friday
  • 00:14

 スティングの有名な曲に、『englishman in newyork:ニューヨークの英国人』というのがあります。以前ブログで紹介しました。ユーチューブに多分それのもじりだと思うんですが、『english man in korea:韓国の英国男子』というシリーズものの番組があります。ばかばかしい上、英語と韓国語の両方楽しめるので、飽きずに見ています。こういうものを見ていると韓国に行く外国人と日本に向かう外国人の特徴を決めたくなる誘惑に駆られますね。勿論ステレオタイプなバイアスがかかっているのは承知していますが……。

 

 親しくしていた言語学専攻のアメリカ人留学生・Jさんは、日本に交換留学生として来る前は、韓国に留学していました。日本での寮生活についに馴染めず、結局駐韓米軍に就職することになりました。彼から英語の微妙な解説や日常会話の韓国語の言い回しを教えてもらったりしました。韓国語を知っているアメリカ人に初めて会ったので、最初は不思議な感じでした。札幌の朝鮮学校の運動会に連れて行って、学校の朝鮮語が、彼の耳にしていた韓国語とずいぶん違っていたので、驚かれたことも楽しい思い出です。

 

 このユーチューブの、韓国人おばちゃんやおじちゃんの見知らぬ他人に対する、ぐいぐい来る・あけっぴろげな対応を見ると、これになじんじゃう人は日本での生活は難しいのかもしれないなぁ、とも思いますね。

 

 わたしはどうかというと、自分自身は、ふつうの日本人よりさらに人見知りなんですが、ぐいぐい来る韓国おばちゃん・おぢちゃんも全くオッケー、楽しめちゃうので、案外お得なタイプなのかもしれません。

 

 設定は、韓国に住む・韓国語をしゃべれる英国人・ジョシュが韓国にはじめてきた・見知らぬ人の前で裸になる習慣のない英国人・ジョニーを韓国サウナ・垢スリに連れていくというものです。

 

 一応、ビデオの最初に注意しているので書いておきます。『裸の映像がいっぱい出てくるのでご注意ください。センサーは着いておりますが……』とのことですので、よろしくお願いします。

 映像を見ていただければ、何を言っているかは、だいたい想像できます。naked(ネイキド)とがやたらに出て来ますが、裸という意味です。ほとんど日本語と同じ使い方の言葉です。


 え〜、次は済州島で、生の・しかもイギリス人が食べないタコ!を生きたまま食べる、サンナクチ(タコの踊り食い)体験企画です。シーフードが好きなジョニーは、てっきりバーベキューだと思って、焼台はどこだと言っておりますが……。

 次は、韓国の焼肉(済州黒豚)を食べるという企画。

 実はこの現在の韓国焼肉の食べ方は、韓国料理・プルコギが発祥ですが、在日朝鮮・韓国人の焼肉店が、日本で発展させた焼肉の影響を受けたもので、従来のプルコギとは違うものです。朝鮮料理研究の第一人者・鄭大聲(チョン・デソン)先生が何度も著作に書かれていますね。

 最後は、韓国にはじめてきた英国人牧師・クリスに焼肉などの韓国料理を食べてもらうという企画です。上記三つの映像よりちょっとまじめかな。というか、クリスさんの人柄なんでしょうが、韓国料理の特徴をよくとらえた発言が続きます。モノ派の現代美術家・李禹煥(リー・ウファン)がかつて、『立ち止まって:現代美術の始源』の中で、現代美術を念頭に置いて、韓国料理について書いていたことを思い出します。韓国料理は、フランス料理や日本料理とどこが一番違うか。それらは、食べる順番を作る側が基本的に決めるが、韓国料理は、食べる側が、どれをいつ食べるか、決定する、というのです。これはちょっと意表を突かれた見解だったので、今でも頭に残っていますね。←って、家庭料理って基本みんなそうぢゃん。セリザワさん

 

 クリスさんは、韓国焼肉は、オーケストラで、食べるわたしは、その指揮者だと、冗談めかして語っていますね。どうぞご覧ください。

 クリスさんは、トイレの中が、テレビのリモートコントローラーのようにボタンがいっぱいついて、びっくりしています。もちろんこれは日本の技術の輸入です。彼ははじめての極東旅行だと言っていますから、旅行体験に、こういう誤解はつきものです。日本に旅行しても同じような誤解は起きるでしょう。ある現象を、その国・民族独特なものと思いこむときは、無意識の多数派になっていると見做して、よほど頭を働かせて注意しなくてはいけないぜ、って思いますね。

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

  • 店長出村のブログ:4月の防火管理講習
    おや爺 (04/08)
  • 店長出村のブログ:4月の防火管理講習
    わし (04/04)
  • 店長出村のブログ:4月の防火管理講習
    わし (04/03)
  • 2017年あけましておめでとうございます。
    おや爺 (01/01)
  • 2017年あけましておめでとうございます。
    argon (01/01)
  • 今冬も恐るべし、豪雪岩見沢。アルゴン氏乱入
    oyajii (12/19)
  • 今冬も恐るべし、豪雪岩見沢。アルゴン氏乱入
    おや爺 (12/18)
  • 落語好き詩人のアーサー・ビナードさん 突然の来店
    おや爺 (11/04)
  • 落語好き詩人のアーサー・ビナードさん 突然の来店
    わし (11/03)
  • 詩の架け橋:詩集『あの日から』 曳地奈穂子
    おや爺 (09/16)

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM