著者から本を頂く:文化精神医学

  • 2019.12.15 Sunday
  • 01:19

 ブログを通じた縁で、以前大阪在住の建築家兼絵本作家アルゴンさんから、自作の絵本を頂きました。『目のひみつたんけん』という科学絵本です。その年のベスト絵本の中の一つに選ばれたものです。

 

 そしてわたしの<屈せざる希望>のおひとり、在日外国人詩人・アーサービナードさんが精養軒に来店され、店に置いていたご自身の訳本にサインをされていかれました。

 

 どこにどのような縁が潜んでいるのか、世の中分かりません。もう20年以上前になるでしょうか。縁ある学校に本を寄付するということをやっておりました。そこの校長先生が最近の子は本を読まないと嘆いていたからです。本の選定に協力して頂いた・今はない岩見沢の老舗書店・ふるかわ書店のカウンターに、岩見沢在住の方の自費出版(?)の本が置かれておりました。

 手に取って引き込まれました。尊敬する素粒子論の物理学者・武谷三男に言及されていたからです。まさか岩見沢でその名を目にするなんて。思いがけない場所で、知り合いの方に出会ったような気持でした。でも考えてみると、技術論や独特の確率論から、武谷博士と医学関係の人達とは交流がありましたからね。

 

 今年になって、精養軒にいらしたお客様に、覚えのあるお名前がありました。失礼とは思いながらお聞きすると、なんと、やはりその本の著者の方でした。わたしも驚きましたが、そのお客様もたいそう驚かれたご様子でした。それはそうかもしれません。だれも、焼肉を食べに来てそんな話題が出るとは思わないでしょう。

 帰りがけに、今度来るときに新しく書いた本を持ってきますとおっしゃるのです。

 

 そして今日(13日)、そのお客様のご予約の忘年会があり、本当に持ってこられたのでした。ここ2,3年関心が強くなっている心理臨床にもかかわる本でした。頂いたお客様のご都合で詳しくは書けませんが……。

 

 わたしは呑み込みの悪い理系タイプなので多分読むのに時間がかかるかも知れません。←難しくて読めない可能性すらありますが……。(TωT)

 とりあえずこの本で初めて知った学問分野。

 医療人類学。知ってました? (文化)人類学って、何でも、どこにでも入っていけるんですねぇ。

 

 頂いた本の最後に書かれた言葉。

『文化精神医学とは、事例のローカルな現実(リアリティ)の強度を繰り返し経験することによって、精神疾患や、精神障害のグローバルな普遍性という信念にもはや戻れなくなったものの方法論なのかもしれない。』 

 

 こころ惹かれる文章ですね。文脈を、個人的な体験に還元してみます。目の前に繰り返される個別の体験が、あまりに、心的に過酷・過激だと、安易に総体の体験とすることを理論的に嫌悪したくなる。部分の事例を全体に結びえない絶対的な何かが出てくる。それにもかかわらず、と言うか、それ故にというべきか、なお何かありうべきグローカル(glocal)な連関の論理を求めようとする衝動が、ひとには存在すると言っていい。

 

 イギリスの有名な発生生物学者が重度の鬱病になった体験を本にしています。いわば、患者側からの体験的・理論的な書といえますか。malignant sadness (悪性の悲しみ)。この本を読むと、わたし程度の不快感・落ち込みなど、全然まだだぜ、って言う気がしますね。サブタイトルは、the anatomy of depression(鬱の構造)となっています。

 

 今日頂いた本で、治療する側からの体験的・理論的な書のひとつを手にしたことになりますね。ついでに古典的哲学者・デカルトの情動論が手元にあるので、哲学の分野からの体験的・理論的アプローチも知ることができます。これで三方向から、自分のこころに接近できるかも。って、仕事もしないで何してんの!おや爺よ!! いや、いや、歳をとって快活に生きる方法を模索しているんでございます、亡くなったこころの師匠・石橋さんとパイザの皆さんとね。♪\(≧▽≦)/\(≧▽≦)/♪

朝鮮料理のお刺身:真鯛と帆立のフェ

  • 2019.12.14 Saturday
  • 01:21

 今日は10名様二組、17名様と11名様の計4組のお任せのコースがありました。それぞれお客様のご要望に合わせたメニューなので、さすがに大変です。その中で、お肉の苦手なお客様がいらっしゃる宴会がありました。刺身と海鮮焼を準備してほしいとのご要望です。

 

 日本の刺身の食べ方は、よくあるのは醤油と山葵ですね。朝鮮料理の魚介の刺身は、伝統的にはチョジャン(チョ・コチュヂャン)で食べます。チョとは酢のこと。コチュヂャンは朝鮮料理の辛い調味料です。いわば辛い酢味噌というところでしょうか。

 

 政治的に、日韓関係はいろいろありますが、、近年韓国では、食に関しては、日本食ブーム。刺身も日本の醤油と山葵で食べることが多くなっています。ちょっと前には、韓国にある飲食店の説明に、本当の粉ワサビなんて書いてあったくらいです。←なんだ!本当の粉ワサビって。粉ワサビ自体が偽物だろう、なんて突っ込みがありそう。まぁ、異文化導入の始まりとはそんなもんですからね。

 

 わたしが学生の頃(50年くらい前)は、日本のチーズはチーズと呼べないと、研究室の教授がおっやっていましたからね。それが今やすっかり様変わりです。日本のおいしいカレーライスも同様ですね。どんな素晴らしいものも、始まりは大抵お笑いみたいなもんです。だからと言って、始まりの大変さ、重要性は変わりません……。

 

 また話は横滑りしております。そんなこんなで、せっかくなので、朝鮮料理の刺身をお出しすることにしました。朝鮮の刺身は白身魚が有名です。今回は真鯛と、北海道らしく帆立にすることにしました。あとは生の春菊を使います。

 

 わたしはもともとチョヂャンに胡麻油は嫌いだったんですが、年をとってすっかり変わってしまいました。刺身の時は香ばしさを出すために、多めの胡麻油を使います。ナッツを乾煎りしたものとサラダほうれん草を使い、白菜キムチの茎も細かくして入れるのが精養軒流です。あっ、隠し味にブルーベリーも入れますって、隠せよおや爺。

 結構独特、癖になる味ですね。

 お客様、完食でございますぅ〜。ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ

 

久しぶりの新人バイト歓迎会&おめでとう会

  • 2019.12.11 Wednesday
  • 23:06

 店の休みの今日は、久しぶりの新人バイト歓迎会&忘年会でした。精養軒は人手不足で休みが多いと言われております。確かにそうなのですが、バイト自体の人数は、20名近くいて、結構多いのです。ただ最近の大学生・高校生は、ボランティア、就活、クラブ、試験と非常に忙しいので、バイトに出る日が極端に少ない状態なんですね。おや爺の大学生の頃には想像もできない真面目さでございます。

 

 そんなこんなで歓迎会を開こうにも皆さんのスケジュールが合わず、お食事会を開くのも大変でございます。お食事会は、精養軒の料理を実際にバイトの皆さんに味わってもらう大事な機会なんです。精養軒の味を知らずにお客様にお勧めすることはできませんからね。参加人数は13名です。

 

 今回のお食事会はこんなメニューでやってみました。

b1.jpg

 大学合格やら、忘年会やら歓迎会、ごちゃまぜでございます。

b2.jpg

 えっつ、監督の好きな塩チゲって何?ですって。それは監督がいらっしゃると、必ず全員にお勧めする、大好きなチゲ料理です。店のメニューには載っていません。塩味好きの野球監督のご要望の応えした、北海道産大豆を使った、自家栽培大豆もやしスープがなければできないチゲでございます。

 

 もう一つ、店ではコース以外お出ししないヤンニョム・チキン(韓国風ピリ辛唐揚げ)は、バイトの皆さんに大人気でございます。こちらでございます。おや爺の私見では、現代韓国の開発した最大級の超B級グルメの一つと言えましょう。病みつきになる味ですね。難点は食べにくい。

b6.jpg

 非常にうるさい女子高校生バイトたちも、これを食べてる間は静かです。学校の先生も大変だろうなぁ、としみじみ思うおや爺であります。ぜって〜、おや爺にはムリ! こちらがその女子高校生組。誰も近寄れません。何がそんなに楽しいのか、巨大雀のような連中ですがな。

b5.jpg

 全体は、6名、4名、3名で座りますが、女子高生は隔離。普段の接客からはまったく想像もできないうるささです。

b3.jpg

 なんといっても見ごたえがあるのは、大学生バイトHさんの食べっぷり。ものすごく美味しそうに、特選和牛の焼肉を食べるんですね。食べさせ甲斐がある!って感じです。店のポスターに使いたいほどですね。でも大学生で特選和牛の味を覚えると、社会人になった時が大変かも……。

 

b4.jpg

 こちらは第一弾の料理。遅れてくるバイトに合わせて第二弾があります。

 そして〆の一口手打ち高麗雉冷麺。ただ今、新蕎麦。蕎麦粉9割5分。麺の粘弾・破砕性実験中の蕎麦粉ブレンドです。稠密性、味も香りもありますが、破砕性がちょっと弱いかな。

b7.jpg

 皆さんすべて完食されて最後のデザートへ向かいました。お食事会に出たからには、年末、年始休まずバイトに出て頂戴な!!←おや爺、こころの叫び。┌|≧∇≦|┘

詩の旅:冬の詩 『冬が来た』 『道程』 『ちひさな群れへの挨拶』

  • 2019.12.07 Saturday
  • 23:15

 高校生まで、国語の授業の詩や歌の解釈というのが大の苦手でした。どう考えても先生や教科書の解釈みたいに深く感じられない、自分はそんな感受性や才能がないんだ、と思っていました。大学生になって、日本ばかりではなく、朝鮮や外国の詩で好きなものに出会いました。詩の好きな友人に教えられた詩人も多くいます。その過程で、詩を感じるのに、生来の感受性や才能の有無は、少なくてもわたしには関係ないことが分かりました。自分の存在・日々の体験を通して積み重ねられた固有の悩みや喜びを元手に、(言葉の)森に分け入っていけばいいんだと気づいたのです。

 

 50年前のごく普通の・成績も、日々の存在も目立たない・詩に関心を持たない高校生が、最初に惹かれた詩は、教科書に載っていた高村光太郎の『冬が来た』と『道程』いう詩でした。

 教科書にも載っているので、ご存じでしょうがこんな詩です。

 冬が来た

 

きつぱりと冬が来た

八つ手の白い花も消え

公孫樹いちょうの木もほうきになった

 

きりきりともみ込むような冬が来た

人にいやがられる冬

草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た

 

冬よ

僕に来い、僕に来い、

僕は冬の力、冬は僕の餌食だ

 

しみ透れ、つきぬけ

火事を出せ、雪で埋めろ

刃物のやうな冬が来た

 

道程  

 

僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちにさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
 ウジウジした生き方・堂々巡りの日々・先が全くないと思っていた在日朝鮮人高校生にとって、憧れのような存在の詩。というより詩人でした。<根付の国>を書いた詩人・高村光太郎が戦時中、戦争賛美詩を本気で書いていたことを知って愕然となったことも、日本ばかりでなく、さらに世界の詩に入れ込む理由となったのでした。あの高村光太郎ですらそうなるなら、とても他人事とは思えなかったからです。
 豪雪地帯岩見沢に暮らすわたしには、『道程』は冬の詩のイメージですね。足跡のない真っ白い雪道を連想させます。
 <きっぱりと冬が来た>というのは、現実の冬というより、光太郎の理念からは、そう見えた冬のように思えます。豪雪地帯の生活者から見ると、冬はじわじわとくるもの、とうとう来るものっていう気がします。

 

 

 全然資質の違う詩人・吉本隆明の「ちひさな群への挨拶」に出てくる冬は、思想的な冬と言っていいんでしょうが、妙に似た匂いを感じます。この詩の前半が好きです。後半の絶唱(感)を、歴史的に言えば、非ロシアマルクス主義系の左翼思想的に解釈する人が多かったんでしょうが、わたしには、浪漫派って感じで、アジア人として、その道は、お互いが不幸になるようで、そこには行くまい思っちゃうんですね……。

 

 

 
ちひさな群への挨拶

 

あたたかい風とあたたかい家とはたいせつだ
冬は背中からぼくをこごえさせるから
冬の真むかうへでていくために
ぼくはちひさな微温をたちきる
をはりのない鎖 そのなかのひとつひとつの貌をわすれる
ぼくが街路へほうりだされたために
地球の脳髄は弛緩してしまふ
ぼくの苦しみぬいたことを繁殖させないために
冬は女たちを遠ざける
ぼくは何処までゆかうとも
第四級の風てん病院をでられない
ちひさなやさしい群よ
昨日までかなしかった
昨日までうれしかったひとびとよ
冬はふたつの極からぼくたちを緊めあげる
そうしてまだ生れないぼくたちの子供をけつして生れないやうにする
こわれやすい神経をもつたぼくの仲間よ
フロストの皮膜のしたで睡れ
そのあひだにぼくは立去らう
ぼくたちの味方は破れ
戦火が乾いた風にのつてやつてきさうだから
ちひさなやさしい群よ
苛酷なゆめとやさしいゆめが断ちきれるとき
ぼくは何をしたらう
ぼくの脳髄はおもたく ぼくの肩は疲れてゐるから
記憶といふ記憶はうつちやらなくてはいけない
みんなのやさしさといつしよに

ぼくはでてゆく
冬の圧力の真むかうへ
ひとりつきりで耐えられないから
たくさんのひとと手をつなぐといふのは嘘だから
ひとりつきりで抗争できないから
たくさんのひとと手をつなぐといふのは卑怯だから
ぼくはでてゆく
すべての時刻がむかうかはに加担しても
ぼくたちがしはらつたものを
ずつと以前のぶんまでとりかへすために
すでにいらなくなつたものはそれを思ひしらせるために
ちひさなやさしい群よ
みんなは思ひ出のひとつひとつだ
ぼくはでてゆく
嫌悪のひとつひとつに出遭ふために
ぼくはでてゆく
無数の敵のどまん中へ
ぼくは疲れてゐる
がぼくの瞋りは無尽蔵だ

ぼくの孤独はほとんど極限(リミット)に耐えられる
ぼくの肉体はほとんど苛酷に耐えられる
ぼくがたふれたらひとつの直接性がたふれる
もたれあふことをきらつた反抗がたふれる
ぼくがたふれたら同胞はぼくの屍体を
湿つた忍従の穴へ埋めるにきまつてゐる
ぼくがたふれたら収奪者は勢ひをもりかへす

だから ちひさなやさしい群よ
みんなのひとつひとつの貌よ
さやうなら

2019年産自家栽培大豆もやし用大豆を手に入れる。

  • 2019.12.04 Wednesday
  • 23:33

 精養軒の自家栽培大豆もやしナムル。380円。精養軒の特徴をなす大事なメニューです。秋山米穀店さんから30年以上に渡って、もやし栽培用大豆を買っていました。お店を止められてから、ここ数年、数か所から取っています。秋山さんからの紹介・白大豆の松本さん、枝豆青大豆の平野さん。今年は、さらに、初めて若き農業生産者・長谷川さんが育てた超大粒大豆を使います。

 今年は今のところ2種類です。こんな感じの豆です。

 左は今年から来年にかけてチャレンジする予定の超大粒白大豆・たまふくら。右はここ数年の常連の青大豆。この青大豆も決して小さくないんですが、たまふくらが横にあると小さく見えますね。転用豆でないのでさらにおいしい大豆ナムルに育つでしょう。亡くなったオモニの見解では、青大豆が白大豆より数段美味しい。確かにそうですが、前回の栽培実験から、この函館の生んだ新品種・たまふくらも独特のインパクトと独自の食感と甘味ですね。

 たぶんたまふくらは通年もやし栽培ができない品種だと思います。せいぜい6月頃まででしょう。精養軒のもやしナムルファンの皆さん、短い期間ですが、御期待ください。

 

 たまふくらは生産者・長谷川さんによると、枝豆にすると超おいしいとのこと。今年の枝豆時期にチヂミに使うのが楽しみです。長谷川さんは農業を継いでで10年くらいだそうです。前は自動車関連の仕事をしていた由。農業3代目を継ぐからには独自のことをしたいと、たまふくら土壌栽培もチャレンジしたそうです。う〜ん、その気持ちおや爺にも非常によくわかるのでございますね。

 

 今季の大豆を確保して、いつもの十割蕎麦を頂きに行きました。さらに今季最後かもしれない千歳のミオン農苑に伺って近さん夫婦からパワーを頂きました。

 最近お気に入りの限定十食の手打ちそばの店。この時期だけ、目の前の蕎麦畑から採った蕎麦を自家製紛しております。運良く2食残っておりました。

 千歳ミオン農苑も少し冬景色です。ミオン農園にはカラスも雀も来ませんなぁ。上品そうな鳥たちが忙しく冬に備えて飛び回っています。

 

 自家栽培もやし用の大豆も2種確保できたし、美味しい手打ち蕎麦も食べたし、近さんを始めミオンの皆さん、フランソワさんにも会えたし、いい休日でした。何かに感謝しなくっちゃね。

2019年9月から2019年11月まで読まれた記事上位10位

  • 2019.12.02 Monday
  • 01:12

第一位:『2019年新蕎麦手打ち高麗雉冷麺ぁ:十割蕎麦と二八蕎麦

 今もいろんな粒度の蕎麦粉を使って楽しく実験を繰り返しております。

 

第二位:『ハワイからのお客様
 うれしかったなぁ。わたしはネットの評価を信じません(正確に言うと、目の前で語り合った実感の持てない場合のネット評価ということです)が、目の前で交わされる、こういう言葉は本当にうれしいです。


第三位:若い友人・石橋さんのこと』 
 石橋さん、二人で話したことは、ふたりで話さなかったことは、今も繰り返し思い続けていますよ。ゆっくりですが、いつか自分の生きた心理学を実証したいです。

第四位:おぅ、久しぶりでございます。特選和牛焼しゃぶ弁当DX 自家製フルーツマチェドニア・お茶付き』 
 個人店だからできる焼肉弁当です。


第五位:『ちょっと映画館へ◆Ш週の映画は『人生フルーツ』前編』『映画『人生フルーツ』後編:お言葉集
 映画館て独特のあやしい雰囲気があって、いいですよねぇ。映画はやはり映画館で、ですね。若いカップルの話も盗み聞きできるしね。津端さん、映画を見た限りでは、反技術的スロー・ライフとは思えませんでしたけど。人生の最後に求めていた仕事に出会えるっていうのもいいなぁ。映画のパンフレットで、小説家の重松清さんが、二人の共著『高蔵寺ニュータウン夫婦物語』本文前に掲げられたエピグラムを、詩人茨木のり子の『おんなことば』からの一節として、紹介していました。

 『だから決めた できれば長生きすることに/年とってから凄く美しい絵を描いた/フランスのルオー爺さんのように/ね』

 おぅ、わたしの好きな・茨木のり子初期詩集『見えない配達夫』の中の、『わたしが一番きれいだったとき』という詩の一節です。

 わたしが一番きれいだったとき

 わたしが一番きれいだったとき
 街々はがらがら崩れていって
 とんでもないところから
 青空なんかが見えたりした

 わたしが一番きれいだったとき
 まわりの人達が沢山死んだ
 工場で 海で 名もない島で
 わたしはおしゃれのきっかけを落してしまった

 わたしが一番きれいだったとき
 だれもやさしい贈物を捧げてはくれなかった
 男達は挙手の礼しか知らなくて
 きれいな眼差だけを残し皆発っていった

 わたしが一番きれいだったとき
 わたしの頭はからっぽで
 わたしの心はかたくなで
 手足ばかりが栗色に光った

 わたしが一番きれいだったとき
 わたしの国は戦争で負けた
 そんな馬鹿なことってあるものか
 ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた

 わたしが一番きれいだったとき
 ラジオからはジャズが溢れた
 禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
 わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

 わたしが一番きれいだったとき
 わたしはとてもふしあわせ
 わたしはとてもとんちんかん
 わたしはめっぽうさびしかった

 だから決めた できれば長生きすることに
 年とってから凄く美しい絵を描いた
 フランスのルオー爺さんのように
               ね

 

 好きな詩なんですが、いつも引っかかり、考え込むところがあります。<男達は挙手の礼しか知らなくて/きれいな眼差だけを残し皆発っていった>というところに……。


第六位:『近場の温泉 Д蹈哀曠謄襦Ε瓠璽廛襯蹈奪検ヾ筝沢毛陽
 今もすっかりはまっています。週一で行くお肌つるつる温泉です。しかも平日ガラガラなのがいい!失敬!!


第七位:『東京からのお客様:2019年の新豆大豆もやしナムル
 たぶんわたしは、今年8月末に亡くなられた河野先生に、二重モニタリングについてじかにふれた最後のクライアントかもしれません。お弟子の方から、先生が戦後朝鮮から引き揚げされた方だったことを知りました。ひとの縁とはホントに不思議です。

第八位『やってもやっても終わらないの。』:千歳meon(ミオン)農苑 近さん

 近さん、奥様、すごい人たちです。

第九位:『映画「1987ある闘いの真実」:ジャーナリストとニューズ(イサムノグチ)
 こんな時代にこういう映画をつくる人々、こういう映画に出る俳優たちを尊敬します。主人公の・飲んだくれの若い検事が、拷問室の室長に、これから先の生活が怖くないかと、静かに、その分更にドスのきいた脅しをうけます。切り返す啖呵。

 『軍人のケツの穴でも舐めて暮らすさ。』いかにも韓国映画らしい汚いセリフがかっこええざんすね。

第十位:『ちょっと映画館へ Дぅ┘好織妊映画:イエスタディあれこれ
 ビートルズファンの方でなくても、ぜひ、ぜひ、本編をご覧ください。ユーチューブで面白い映像もたくさん見ることができます。

もしや日本初!もやし栽培、ってことは世界初?? 幻の超大粒大豆・たまふくらの自家栽培大豆もやし

  • 2019.11.30 Saturday
  • 02:11

 たまふくらという比較的新しい品種の大豆をご存知ですか? 2008年に函館近郊で栽培され、新品種登録された超大粒大豆です。京都丹波黒大豆と北海道大粒黄大豆ツルムスメの掛け合わせです。蔗糖含量の高い丹波黒と食味の選れた大粒ツルムスメの両方の特徴を併せ持っています。難点は栽培が非常に難しく、まだ多く流通していません。

 

 実はおや爺、大規模大豆栽培家から、まだ幻と言われていた数年前に分けて頂いて、もやし栽培にチャレンジしたことがありました。2度ほど栽培を試みて、完敗。そして今年自然乾燥のツルムスメを手に入れたものの、今一つ成功せず。70%台の発芽率だったことはこのブログで以前紹介しております。

 

 さて、おや爺がよく食材を探しに行く恵庭の道の駅・かの菜。そこにあったのでございます。かつてもやし栽培で完敗した、宿敵た・ま・ふ・く・ら。こ、これはリベンジするしかありますまい。

t4.jpg

 まずはH農場へ電話して自然乾燥かどうかを尋ねることにしました。数度の電話でようやくつながりました。若い男性の方でした。自然乾燥だけど、栽培は難しいよ。モヤシ栽培できるかどうかわからないけど、とのことでした。でも土壌栽培をする際の貴重な教訓を受けたので、もやし栽培に生かせるかもしれません。

 ネットを見てもたまふくらの味噌や枝豆・納豆はあっても、もやしはありません。うまくいけば日本初!、ということは世界初では、あ〜りませんか!!

 

 という訳で慎重に栽培を始めて10日。黒ずんでいる物もありますが、腐敗した豆は2粒だけ、という好結果。食べると新豆の香り漂う、信じられないほど甘く美味しい大豆もやしです。今までの人生で一番おいしい大豆もやしの一つと断言できますね。当店の従来の大豆も決して小さくありませんが、それの1.5倍はふっくらと立体感のあるナムルです。左がたまふくらナムル。右が精養軒の従来の青大豆ナムル。その背景は、生命線の薄い、薄幸の美少年の掌(てのひら)でございましょう。┏┫*` ー ´┣━━●)゜ロ゜)グハッ!

t1.jpg

 ちょうど融資を受けている銀行の担当の若い方が、同僚と精養軒に来られる日でした。彼女に何回か、あなたの融資している融資先の店がどんな思いで商売をしているか食べに来てくださいと言っていたのです。子供じみていると重々わかっていますが、若い人と、ただお金の貸し借りの関係でいたくはなかったのです。

t3.jpg

 これはいつもの自家栽培青大豆ナムル。

t2.jpg

 こちらがたまふくら自家栽培大豆ナムル。

 最初にお出ししました。多分日本最初のたまふくらを使った自家栽培大豆もやしです、と紹介しながら。

 今度お会いした時に感想を聞いてみたいおや爺であります、って、おや爺、銀行が苦手なのでほとんど行かないけんど……。

 

 こう報告しながら、申し訳ありません。

 とりあえず今週の日曜で品切れになります、たぶん。Y(>_<、)Y

 

 追補:今日、30日、精養軒一の・3代に渡るもやしナムル好き、Y木ご一家がご来店されました。えぇ、えぇ、おや爺、縷々説明申し上げましたよ。世紀のたまふくら自家栽培大豆もやし。Y木さん、今までの人生で一番おいしい大豆もやしとおっしゃってくださいました。おや爺、再度たまふくらに挑戦してみようかな。

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM